今回は新潟県糸魚川市近辺でできる「ヒスイ拾い」にて初心者の筆者がヒスイを拾う事に成功したので、拾った場所やそのノウハウ等を紹介しようと思います。
合わせてヒスイ以外にもたくさんの珍しい石を拾えましたので、そちらも紹介しようと思います。
ヒスイは日本の国石にも指定された石で、姫川と青海川の上流にヒスイの原石がありそれが砕けて川や海で拾う事ができます。
ヒスイは緑・白・黒・青・ラベンダー等様々な種類があります。
ヒスイ探し概要
探した場所
今回は泊駅~浦本駅までの海岸沿いを散策しました。
泊駅北側の海岸も散策はしましたが、ここは石こそあれど、めぼしい自然石は皆無だったのでここでヒスイを拾える可能性はかなり低いと感じました。
なので実質的なポイントはその1つ先の越中宮崎から探したという感じです。
二泊三日で電車にてあちこちから乗り降りをして各海岸を探しました。
道具
ヒスイ棒
道具は一般的に潮干狩りをする熊手と自作したヒスイ棒を使いました。
ヒスイ棒は100均のもので自作して別記事で紹介をしていますので是非参考にしてください。
長靴
あとは長靴を履いて波打ち際を中心に探しました。
日本海は波の強い日が多いので波打ち際だと急に波が強くなる事があるので、長靴の上部を縛れる長靴をオススメします。
防水ジャンバー
地味にこちらも夏以外は必須です。
日本海は風が冷たいのと波が荒いので、波打ち際を探しているとよく潮をかぶります。
テトラポットの内側にいてもそれを乗り越えて潮が飛んでくる事もあります。
そして急な雨も多いのでこのようにフードのついた防水ジャンバーがあると良いです。
ヒスイ探しのノウハウ
白く角ばった石を狙う
一番の基本であるのは、白く角ばった石を狙うという事です。
初心者にありがちですが、ヒスイは必ずしも緑色ではなく、元の色は白で他の石や鉄・クロム等で合わさって緑色等になります。
海岸に行くとわかりますが、緑色の石は無数にあり、むしろしっかりと緑色のヒスイを拾える事は地元の方でもほとんどありません。
なので何も調べずにヒスイ拾いに行くというのは全くもってオススメしません。
ヒスイは他の石と比べて固くあまり丸くならないのが特徴なので、角ばっている石を狙うのは有効です。
まずは実物を見る
白く角ばっているのは基本ですが、ヒスイと言えど様々なパターンがありますので、まずは実物を見る必要があります。
糸魚川市付近には個人店から施設まで様々な場所で実物のヒスイを見る事ができますので、まずはヒスイを見るところからスタートしましょう。
以下ヒスイの実物を見れる場所の一例です。
フォッサマグナミュージアム
ヒスイを含め世界中から集められた石が展示してあり見ごたえが抜群です。
週末は石の鑑定をやっていますので拾った石を持って鑑定してもらう事も可能です。
小さな糸魚川ヒスイ原石館
こちらは個人の方が運営されているヒスイを展示しているスペースです。
拝観料200円でコーヒーを飲みながらヒスイを色々見る事ができます。
地元の方も数多くいらっしゃいますので色々情報交換ができるアットホームな場所です。
糸魚川観光物産センター
こちらは糸魚川駅北口を降りてすぐの場所にある施設です。
お土産販売やヒスイが販売されていますので、こちらでも実物見る事が可能です。
ヒスイテラス
こちらは越中宮崎駅前にある施設です。
2階にヒスイが展示されていて大小様々なヒスイを見る事ができます。
ヒスイの鑑定士さんがいてこちらでも拾った石を見てもらう事ができます。
長時間探し続けるのは得策ではない
筆者のように遠征で行く場合、可能な限り長時間探そうとしがちですが、それは得策ではありません。
長時間探せば翡翠が取れる確率が上がると思いがちですが、実際は長時間探すことによって集中力が下がりヒスイを見逃してしまう可能性があります。
このように糸魚川の海岸は無数に石があり、これだけの石を腰を屈めなら見てずっと海岸線を歩くのは非常に集中力を使い、体力・精神的にも疲れます。
さらに不安定な足場を歩くので集中力が下がることにより、足を取られ怪我に繋がることがあります。
なのでこまめに水分や糖分を補給しながらやることが大切です。
一回通った場所でももう一度見る
波打ち際であれば、波が動くたびに石は混ざります。
なので石が混ざったタイミングで翡翠が出てくる可能性があります。
人によっては一定の場所にとどまり、石が混ざるのを観察するパターンもあります。
なので1回探した場所をまた見てみると 翡翠があるかもしれません。
筆者も今回はそのパターンでヒスイを入手することができました。
ベストシーズンは春か秋
日本海側は気候が独特で基本的に晴れません。
そして冬は雪が多いので言わずもがなですが、夏はとても暑いです。
なのでヒスイを探すなら3月~5月までの春先か、10月~11月くらいの時期が気温や気候が比較的安定して探しやすいと思います。
敢えて悪天候の日に行く
天候が悪いとそれだけ人は減るのと、石が混ざりやすいのでそのタイミングで行くのもありです。
ただ当然落雷や高波等の危険が伴いますので、危険には十分注意の上行う必要があります。
2024年もヒスイ探しで波に攫われて亡くなった方がいますので、そこは気を付けないといけません。
拾った石~ヒスイに似ている石~
ネフライト
海外では軟玉ヒスイとして扱われている石です。
状態が良いものであれば ヒスイと同じくとても綺麗な石です。
特に濃い緑色や青っぽく光るネフライトは貴重です。
筆者は今回の翡翠拾いでネフライトを計36個拾うことができました。
こちらはヒスイに次いで人気のある石で、ネフライトを専門に狙っている方もいるくらいです。
ロディン岩
翡翠とよく間違えられる石の代表格です。
ライトを当てても 翡翠のようには 透過しないという特徴があります。
比重は翡翠と同じぐらいなので持ってみると重みを感じます。
クリソプレーズ(緑石英)
いわゆる緑色の石英で、非常に翡翠とよく似ているのでとても間違いやすいです。
見分ける方法は、色合いと乾いた時に白くなるかどうかで判断をします。
色合いは若干青みがかった緑色をしていて乾いた時に白くなればクリソプレースの可能性が高いです。
比重を測ると石英と同じくだいたい2.5から2.8の間になります。
キツネ石
こちらも代表的なヒスイと間違えられる石です。
色合いが緑色っぽいのみで丸くライトを当ててもほとんど透過しないので慣れてくればすぐ判別がつきます。
ただ色合いが綺麗なキツネ石もあるのでコレクションとして拾う分には良いと思います。
ついにヒスイゲット
最終日の最後にラベンダービーチ付近で緑色の石を発見
青海川近くのラベンダービーチの波打ち際にて、緑色の石が打ち上げられているのを確認しました。
こちらは一度通った場所でしたが、戻りがてら再度見てみるとありました。
拾った時はまだ何の石かイマイチわかっていませんでした。
これはヒスイなのかという気持ちが半分と、またクリソプレーズじゃないかという気持ちが半分でした。
ただ形や色合いはヒスイにとても似ています。
とりあえずキープはして帰りがてらライトを当てたりして何度も確認しましたが、やはり自信がありません。
比重を計ってヒスイかどうかを判断
帰宅してからヒスイの比重を計りました。
小さめの石なのでキッチンスケールだと1g以下の値が測れないため以下を購入しました。
100均でも1g以下を計れるスケールは売っていませんでしたが、Amazonでは数百円で手に入ります。
石の重さを計った後、銅線を巻き付けて水を入れた容器に入れ重さを再度計る。
比重を計算するためにまず石自体の重さを計ります。
その後に銅線を巻き付けて水に入れた容器の中へ吊るして入れて重さを計ります。
一般的には計るために釣り糸が使われますが、すぐ外れてしまって縛るのが大変だったため不要になったケーブルを分解して出てきた銅線を巻き付けて計測しました。
比重を計った結果ヒスイで間違いなし
石の重さが12.38gでそれを水の中に入れた重さの3.92で割ると比重が3.15と出ました。
石英であれば比重は2.5から2.8なのでクリソプレーズではない事はわかりました。
一般的に翡翠の比重は3.25~3.35と言われていますが、不純物が混じる事によって比重が3を切る事もあります。
そしてヒスイの特徴である細かい結晶もところどころ見られます。
鑑定結果もヒスイで間違いなし
後日再度糸魚川方面に行った際に、ヒスイ専門店とイベント会場でそれぞれ鑑定をしていただきましたが、いずれもヒスイで間違いないという回答をいただきました。
金山系のヒスイとの事でした。
今やこのようなヒスイは滅多に取れない
今回は非常に運よくこのような綺麗な緑色をしたヒスイを入手しましたが、今はこのような石は中々出会えません。
あっても小指の先くらいの大きさだったり、ヒスイが混じった石や灰色ヒスイのように、普通の石とあまり変わらないような石がほとんどです。
こういった石と巡り会うためには足繁く通って運に身を任せるしかないと思います。
拾ったヒスイは売れるのか?
メルカリやヤフオクで拾ったヒスイを出品されているのが散見されていますが、まともに売れているのはほぼ見かけません。
そもそも売れるようなレベルのヒスイはまず拾えないです。
万に一くらいの確率で凄いヒスイはあるかもしれませんが現実的ではないのでヒスイを拾ってお金儲けをしようと考えない方が賢明です。
拾った石~その他拾った石~
流紋岩
何の変哲もない石ですが、模様が独特で形がや模様が結構綺麗なのでついつい拾ってしまう石の一つです。
角が取れて丸くなっている石が多いです。
インテリアとして飾っても良いと思います。
石英
こちらは 翡翠海岸では比較的よく見かける石です。
乳白色をしていて丸っこい石であれば、石英の可能性が高いです。
珍しくはありませんが、よく光を透過して綺麗なのでお土産として持って帰っても良いと思います。
石英は数多くあるので形が綺麗なものがあれば持って帰っても良いと思います。
メノウ
石英の仲間ですが、石の層が模様に見えて綺麗です。
こちらも石英と同じくライトを当てると透過します。
英語ではアゲートと言います。
アメジスト・メノウ
色合いが紫でアメジストと同じ色をしているかつ、メノウのような模様がありかなり珍しい石を拾いました。
みどり店の方いわく、かなり珍しいとのことでお店の X にも紹介してもらいました。
玉髄
メノウの模様がないバージョンを玉髄と言います。
ライトを当てると淡くオレンジ色に光り綺麗です。
英語ではカルセドニーとも言います。
シーグラス
場所によってはよく取れるシーグラスですが、翡翠海岸あたりでは結構珍しいです。
石がたくさんある関係ですぐ削れてしまうんだと思います。
なので綺麗に丸まったシーグラスがあるとついつい 拾ってしまいます。
姫川薬石
こちらは古来より薬石として使われている石英斑岩です。
粉にして入浴剤として使ったり水に入れると水が美味しくなるという話しがあります。
ラジウムを放っていて健康に良いとの事です。
白ネフライト
ネフライトと言えば緑色がメインですが、こちらはかなり白っぽいネフライトです。
ライトを当てると黄色っぽい光と白っぽく光る場所があってとても面白い石でした。
蛇紋岩
こちらは糸魚川の海岸で比較的見かける石です。
蛇の皮膚のような模様に見えるから蛇紋岩という名前がついています。
最大の特徴は磁石にくっつくという事です。
面白い石なのでついつい持って帰ってしまう石の一つです。
偽ネフライト?
こちらは拾った時はネフライトだと思って持ち帰ってきた石です。
ライトを当てた時に緑色に透過して綺麗なのですが、ネフライトにしては光り方に違和感がありました。
このようにまだらに光り黒い部分が透過しないという今まで拾ってきたネフライトにはない特徴がありました。
念のため磁石をくっつけてみるとくっついたので恐らくこちらは蛇紋岩のようです。
ネフライトと比較すると少々黒っぽい色をしていて、見た感じであまり透明感がないところが見分ける特徴です。
総評
今回は初心者がヒスイをゲットしたコツについて紹介しました。
ヒスイ拾いに必要な事をまとめると以下のとおりです。
- ヒスイを判別できるようになる
- 実物のヒスイを見る
- 根気よく通う
この3つが特に重要です。
普通に拾えない事もありますので、ヒスイに限らず様々な石を探して楽しんでやっていただければと思います。
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