今回は糸魚川の海岸でヒスイを見つけるために必要なテクニックを紹介します。
ヒスイは糸魚川の上流にある川に原石があり、それが砕けて海に流れ着くため周辺の海岸で拾う事ができます。
ですが、数は少なく大変希少なため地元の人でも簡単には拾えないのが現状です。
そこで筆者がヒスイ探しに何回も通って学んだ事を紹介します。
実際にヒスイを見つけたので、そのノウハウを可能な限りお伝えいたします。
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ヒスイ探しのコツ
ヒスイは緑という価値観を捨てる
写真で見る事があるようなヒスイはどれも鮮やかな緑色をしていますが、現実的にはそのような石はほぼ落ちていません。

なので緑ばかりに固執していると、別の緑色の石を拾ったり他の色のヒスイを見逃す事になります。
ヒスイの元々の色は白色で、他の岩石と長い間強い力が加わり続けて完成した変成岩です。
なので糸魚川でのヒスイ探しは、白色の石をベースに探す事が必要不可欠です。
天候・風向きは事前にチェック
自然との戦いになるため、海岸に行く前に天候と風向きは必ずチェックしてください。

西風の場合は、東に向かって風が吹くため西方面に歩くと常に向かい風を受ける事になるため風速が強いと想像以上に体力が奪われます。
なので横方向の風向きの場合は常に追い風になるように翡翠を探す進路を設定しましょう。
北風の場合は風が冷たいので、温かくなったシーズンでも上着を持っていきましょう。
このようにコンパクトになるウィンドブレーカーを一枚持っておくと便利です。
北陸地方は良い天気の日は少なく大体曇った天気である事が多い上に、糸魚川近くには山もあるため急に天気が悪くなる事は日常茶飯事です。
なのでこのようにフードが付いた上着は持っておいた方が良いでしょう。
ヒスイ棒はあった方が良い
ヒスイ棒は柄の先がおたまになっていて石を掬う事ができます。
柄の長さの分、遠くにある石を掬う事ができるので深場にある海中の石を掬う事もできます。
そしてしゃがまなくて良いので足腰に負荷をかけずにヒスイ拾いができます。
ヒスイ棒はあまり市販されていないので100均で売っているもののみで自作した記事を紹介させていただきます。
とにかく海岸線を歩く
翡翠が落ちている確率は限りなく低いです。
丸一日探しても1個も取れない事もザラにあります。
なのでとにかく多くの場所を探し回る事がなによりも重要です。

一つ気を付ける事は何カ所もポイントを回れば良いというわけではありません。
同じ場所でも波のタイミングで翡翠が出てくる事があります。
なので歩いた海岸線を戻る時もここは通ったからヒスイがあるはずがないと思わず行きと同じ気持ちで探す必要があります。
筆者も帰りの道でヒスイを見つけました。
栄養・水分補給は忘れずに
ヒスイ拾いは想像以上に体力と集中力を使います。
夏の時期は日本海側はとても暑くなるので水分補給は必須です。
海岸沿いを歩くとカロリーを使うのと、無数に落ちている石を目で判断する作業があるのでお菓子等は持っておくと良いでしょう。
このように気軽に栄養補給できるものは持っておくべきです。
ヒスイの見分け方
角張った石を探す
基本中の基本ですが、角張った石をまずは探しましょう。
ヒスイはモース硬度が高く、他の石よりも硬いのが特徴なので削れて丸くなる事はそうありません。

なので白地で角張った石を探すのが基本的なやり方です。
実態としてそのような石は中々落ちていませんが、石が積もっている場所を掘ったり足で動かしてみたりすると出てくることもありますので根気良く探しましょう。
拾ったその場ですぐ乾かす
ヒスイの特徴として、乾かしても色があまり変わらないという特徴があります。
よくヒスイに間違えられるキツネ石(リストベナイト)や緑石英(クリソプレーズ)は乾くと表面が白っぽくガサガサになるのですぐわかります。
なので拾ってすぐ判別がつかないようならタオル等で石を拭いて乾かしてみてください。
乾かして触る
乾かした後に手触りを確認してください。
ヒスイの場合は、触り心地が若干かさついていながらもスベスベしたような感触です。
ヒスイを拾った事がない場合は、お土産売り場に売っている安いヒスイを触って感触を覚えてください。

1個数百円~千円程度で売られているものが糸魚川でよく落ちているヒスイの特徴に近いです。
疑わしきは持ち帰る
ヒスイを完璧に判別をするのは専門家でも難しいです。
見た目だけでなく比重を計って判断する等あらゆる角度で調べる必要があります。

そして角張っていない丸まったヒスイも存在しているので必ずしもパターンに当てはまるとは限りません。
なのでヒスイの可能性があると思った石はとりあえず持ち帰りましょう。
比重はデジタルスケールで石の重さを計った後に水に入れた容器に石を入れて計った時の重さで割ると比重が計算できます。
比重3以上が目安ですが、純度によっては2.9くらいのヒスイもあります。
ヒスイをゲット
最初は半信半疑
波打ち際で角ばった灰色っぽい石を発見しました。

最初はよくある石英系の石か何かかと思っていました。
実際問題そのような石英系の石である事の方が十中八九です。
外見と手触り
1分もしないうちに拾った石は乾いてきましたが、色合いがほとんどか変わらない事に気が付きました。
結晶はよく見えませんでしたが、大半の石は、乾くと表面が白っぽくカサカサになる事が多いのですが、ヒスイの場合はそうは基本ならないのでここで少々ヒスイではないかと言う気持ちになりました。

そしてよく乾かした後に触ってみると、カサカサしたような感じがありつつもスベスベとしていました。
この手触りはお土産売り場で売っているヒスイと酷似していたのでここである程度確信が持てました。
比重は意外な結果に
帰ってこのヒスイの比重を計りました。
重さ 10.68g 比重は2.90でした。

ヒスイの一般的な比重は3~3.2である事が多いのですが、恐らくこれはヒスイの純度がやや低いものと思われます。
色合いが灰色なので曹長岩が混じったヒスイではないかと思います。
鑑定結果はヒスイ
青海の「みどり店」に行きこのヒスイを見てもらったところ、ヒスイだろうというお墨付きをいただきました。

手触りや石の質感等色々と見ていただいてプロの方がそう判断されたのでほぼ間違いないでしょう。
自分で自信を持ってヒスイと判断できないものはプロの方に見てもらうのが得策です。
総評
今回は糸魚川でヒスイを見つけるテクニックを紹介しました。
筆者自身がヒスイ拾いに取り組んでその奥深さに驚きました。
ただ漠然と海岸を歩き回るだけでなく戦略を立てて行動をするのがとても重要です。
是非このノウハウを元に経験して更にブラッシュアップしていただければと思います。
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